vol.103:今さらでも知りたい京都にある世界遺産17ヶ所(2)

京都にある世界遺産と聞いて思い浮かぶものはなんでしょうか?
かの名所かもせれませんし、あまり知られていない場所かもしれません。
前回に引き続き、京都が誇る寺社仏閣の中でも、世界遺産に登録されているものをご紹介します。
なにが評価ポイントなのかも合わせてお伝えしたいと思います。
季節に関係のないポイントになるので、観光の参考になれば幸いです。

京都が世界遺産に選ばれた理由

京都が世界遺産に選定されたポイントは、平安時代から江戸時代までの各時代を代表する建築様式、庭園様式、そしてその文化的背景を現代に伝えて建築、造園、都市計画の発展に大きく寄付したことが挙げられます。

つまり、とてもザックリ言うと、降世のお手本となるような多大な影響を与えたもの、オリジナルになったものがあるということが一つのポイントです。

京都には2,000を超える寺社仏閣があり、233件の国宝、2,180件の重要文化財を所有しています。また、庭園においても11ヶ所が特別名勝、43ヶ所が名勝として指定されています。(平成29年(2017年)京都府統計書)

じつは京都の世界遺産とはこれら文化財のいわゆる「代表」として選出されました。
意外と思われる方がいるかもしれませんが、17ヶ所の世界遺産が個別に登録されているわけではありません。
全部まとめて「古都京都の文化財」として1994年に登録されました。

これは、京都は世界遺産に該当する建造物が多いので、京都市、宇治市、大津市を含む地域全体を「古都・京都」として捉えて、その代表として17ヶ所が選ばれています。

京都にある世界遺産

京都には世界遺産として登録されている寺社仏閣が17ヶ所あります。
その中から3つずつ紹介していきます。
実は上から順に巡っていくと効率よく観光できるようになっているのでご参考ください。

京都にある世界遺産17ヶ所
平等院
宇治上神社
醍醐寺
二条城
西本願寺
東寺(教王護国寺)
西芳寺(苔寺)
天龍寺
高山寺
仁和寺
龍安寺
金閣寺(鹿苑寺)
上賀茂神社(賀茂別雷神社)
下鴨神社(賀茂御祖神社)
比叡山延暦寺
銀閣寺(慈照寺)
清水寺

二条城


二条城は、京都御所の守護と将軍上洛の際の宿として、徳川家康によって築城されました。外周2キロメートルもある壮大な土地で、日本のターニングポイントを今に伝える貴重な歴史遺産です。
お城といっても、戦闘時の要塞としての機能よりは将軍の権威を周知させる機能と、恭順の意を表明した各大名に新政権の財政負担を課すことがメインでした。そのため、城内は豪華絢爛、そこかしこに将軍としての威光を示す装飾が施されています。
国宝の二の丸御殿は、二条城が竣工されてから江戸が首都として機能するまでの事実上30年しか使用されなかったので、比較的損傷が少なくほぼ落成当時の姿を偲ぶことができます。また、徳川幕府最後の第十五代将軍、慶喜が将軍職返上を表明した大政奉還の舞台となった大広間も有名です。廊下から室内の見学ができるので、当時の秩序を示す、視覚的細工も見つけてみてください。

【基本情報】
住所:
〒604-8301 京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
時間:
開城時間/
8:45~16:00(10月〜6月)
8:00 ~18:00(7月、8月)
8:00 ~17:00(9月)
二の丸御殿観覧/ 8:45~16:10
アクセス:
京都駅より京都市バス9,20,101,111でバス停「二条城前」よりすぐ
JR「二条駅」より徒歩で約17分
参拝料:
1,030円(大人)、350円(中高生)、200円(小学生以下)

西本願寺


JR京都駅から徒歩圏内の西本願寺は浄土真宗本願寺派の本山で、全国から門信徒が集まる寺院です。境内には桃山時代以降の名建築が並び、宗教的にも文化財の観点からも重要なスポットです。
能舞台として日本最古の北能舞台、唐門、書院、黒書院、飛雲閣(いずれも国宝)の建造物は、華麗な桃山文化の粋を伝えています。
国宝である御影堂は日本最大級で、1200名が一度に参拝できる広さです。法要がなければ撮影可能なのも他の寺院にはない特徴です。
また、西本願寺で最も重要なのが阿弥陀堂です。阿弥陀一神教の浄土真宗では、阿弥陀仏が最も神格化された存在なので、阿弥陀堂への入り口である阿弥陀堂門は最も格式の高い門である檜皮葺の唐門です。なので、親鸞を祀る御影堂への入り口である御影堂門は檜皮より格下の瓦葺の屋根で、お堂の高さも少し低くなっています。こういったポイントも見どころのひとつです。

【基本情報】
住所:
〒600-8501京都市下京区堀川通花屋町下る
時間:
5:30~17:00
アクセス:
京都駅より市バス9番,28番,75番で『西本願寺前』バス停下車すぐ
参拝料:
無料

東寺(教王護国寺)


東寺は、796年に桓武天皇の発願によって建立され、後に嵯峨天皇のアドバイザーとして信頼されていた空海によって整備された国立のお寺です。
当時のお寺の役割は宗教施設というよりは、学問施設としての役割を果たしていました。
国家の運営のために、当時最先端の唐文化を学んだ仏教僧の知識と実務能力が必要だったので、空海は文系的な学問だけでなく、薬学、土木工学、気象学、地学、鉱物学などの理系分野の学問の充実に貢献しました。
東寺は戦火や落雷により創建当時の建物は残っていませんが、南大門・金堂・講堂・食堂が南から北へ一直線にまっすぐ並ぶ伽藍配置や、それぞれの建物の大きさは平安時代から変わっていないと言われており、歴史的価値はとても高い寺院です。
有名な見どころとしては、講堂内にある「立体曼荼羅」です。曼荼羅とは、日本では仏教の教えをわかりやすく絵にしたものです。ただ、曼荼羅を見たことがある方はおわかりかと思うのですが、とても複雑で何をどう見れば良いのかわからないのが正直なところです。そこで空海は、よりリアルにわかりやすく伝えるために大日如来を中心とした二十一尊の仏様を講堂の須弥壇にレイアウトしました。国宝16体、重要文化財5体が一挙に集結するゴージャスな空間は必見です。

【基本情報】
住所:
〒601-8473 京都府京都市南区九条町1
時間:
門/ 5:00~17:00
金堂・講堂/ 8:00~17:00 (16:30受付終了)
宝物館・観智院/9:00~17:00 (16:30受付終了)
アクセス:
JR・近鉄「京都駅」から徒歩10分
近鉄「東寺駅」から徒歩5分
市バス「東寺東門」下車 すぐor「九条大宮」下車 徒歩3分
参拝料:
境内無料
東寺の拝観料
五重塔・金堂・講堂…大人〈大学生以上〉800円 高校生700円 中学生以下500円
宝物館…大人500円 中学生以下300円

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