vol.107:今さらでも知りたい京都にある世界遺産17ヶ所(6)

京都が誇る寺社仏閣の中でも、世界遺産に登録されているものをシリーズでご紹介しています。
なにが評価ポイントなのかも合わせてお伝えしたいと思います。
季節に関係のないポイントになるので、観光の参考になれば幸いです。

京都が世界遺産に選ばれた理由

京都が世界遺産に選定されたポイントは、平安時代から江戸時代までの各時代を代表する建築様式、庭園様式、そしてその文化的背景を現代に伝えて建築、造園、都市計画の発展に大きく寄付したことが挙げられます。

つまり、とてもザックリ言うと、降世のお手本となるような多大な影響を与えたもの、オリジナルになったものがあるということが一つのポイントです。

京都には2,000を超える寺社仏閣があり、233件の国宝、2,180件の重要文化財を所有しています。また、庭園においても11ヶ所が特別名勝、43ヶ所が名勝として指定されています。(平成29年(2017年)京都府統計書)

じつは京都の世界遺産とはこれら文化財のいわゆる「代表」として選出されました。
意外と思われる方がいるかもしれませんが、17ヶ所の世界遺産が個別に登録されているわけではありません。
全部まとめて「古都京都の文化財」として1994年に登録されました。

これは、京都は世界遺産に該当する建造物が多いので、京都市、宇治市、大津市を含む地域全体を「古都・京都」として捉えて、その代表として17ヶ所が選ばれています。

京都にある世界遺産

京都には世界遺産として登録されている寺社仏閣が17ヶ所あります。
その中から3つずつ紹介していきます。
実は上から順に巡っていくと効率よく観光できるようになっているのでご参考ください。

京都にある世界遺産17ヶ所
平等院
宇治上神社
醍醐寺
二条城
西本願寺
東寺(教王護国寺)
西芳寺(苔寺)
天龍寺
高山寺
仁和寺
龍安寺
金閣寺(鹿苑寺)
上賀茂神社(賀茂別雷神社)
下鴨神社(賀茂御祖神社)
比叡山延暦寺
銀閣寺(慈照寺)
清水寺

銀閣寺(慈照寺)


室町幕府8代将軍足利義政が子の足利義尚に将軍職を譲り、 1482年から東山の月待山麓に東山山荘(東山殿)の造営を始めました。義政はここで隠居生活を送り、文化人としての素養が高かったため、庭園を愛でたり書画や茶の湯を楽しみました。足利義政亡き後、その菩提を弔うためにこの東山山荘を禅寺に改修して生まれたのが、今の銀閣寺です。正式名称を慈照寺といい、義政の院号である慈照院殿にちなんでいます。
「銀閣寺」という名称は、義政の祖父である義満が建てた「金閣寺」に対して江戸時代から言われていました。実際に銀箔が貼られているわけではありませんが、金閣寺の豪華絢爛の輝きに対して、簡素で幽玄な美しさは対照的な美を追求しています。
創建当時の姿を残す観音殿と東求堂はいずれも国宝に指定されています。東求堂にある書院造は日本最古のもので、今では当たり前に感じる、床の間、障子やふすまで部屋を仕切る様式などはこの頃に生まれました。こういった点は後の日本文化に大きな影響を与え今につながっているといえます。
また、銀閣寺の庭園は名勝庭園に指定され、作庭に従事したのは河原者かわらもの(山水河原者)と呼ばれる賤民身分の人々でしたが、東山山荘の庭をつくった善阿弥はその代表的な人物で、彼の子の小四郎、孫の又四郎も同じく作庭家として活躍しました。
将軍義政の周辺には、このような作庭・花道・茶道などの芸能にひいでた人々が多く集められ、東山文化の創造に貢献しました。

【基本情報】
住所:
〒606-8402 京都府京都市左京区銀閣寺町2
時間:
8:30~17:00 (3月1日〜11月30日)
9:00~16:30 (12月1日〜2月末日)
アクセス:
・地下鉄 烏丸線「北山駅」より徒歩15分
・京都駅より市バス5系統 17系統 32系統 急100系統 急102系統 203系統 204系統 MN204系統で 「銀閣寺道』」下車すぐ
参拝料:
500円(高校生以上)、300円(小中学生)

清水寺


平安京遷都以前の778年に開創し、まもなくして坂上田村麻呂が蝦夷討伐の戦勝祈願を行い、宿願が叶った後に寺院として整備されました。
平安京遷都当時は、平安京内への寺院移転や新寺の建立が禁止されていたので、仏教寺院は山中に寺院を建立するよりほかはありませんでした。そのことで、ユニークな伽藍の配置や建造物をもつことになりました。一般的な寺院のように塀で囲ったり、直線的な伽藍配置ができないため、日本古来の景色の中にインド由来の三重塔、中国由来の仁王門などが共存しています。そういった開放的な雰囲気が古より愛されてきた所以かもしれません。
密教系の寺院は普通、僧侶やごく限られた有力者のための施設でしたが、清水寺は古くから一般に公開され、今では推計4万人もの人々が毎日訪れるほどの人気スポットです。
国宝である本堂には有名な「清水の舞台」があります。この舞台は本尊に舞楽を奉納する場です。舞楽は中国大陸や朝鮮半島から伝わりましたが、今となってはその原型が日本でしか見られない貴重なものとなっています。

【基本情報】
住所:
〒605-0862 京都市東山区清水1丁目294
時間:
6:00~18:00
*季節によって閉門時間が前後します
アクセス:
京都駅から市バス206系統、100系統で「五条坂」下車、徒歩10分
参拝料:
400円(高校生以上)、200円(小中学生)

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