vol.106:今さらでも知りたい京都にある世界遺産17ヶ所(5)

京都が誇る寺社仏閣の中でも、世界遺産に登録されているものをシリーズでご紹介しています。
なにが評価ポイントなのかも合わせてお伝えしたいと思います。
季節に関係のないポイントになるので、観光の参考になれば幸いです。

京都が世界遺産に選ばれた理由

京都が世界遺産に選定されたポイントは、平安時代から江戸時代までの各時代を代表する建築様式、庭園様式、そしてその文化的背景を現代に伝えて建築、造園、都市計画の発展に大きく寄付したことが挙げられます。

つまり、とてもザックリ言うと、降世のお手本となるような多大な影響を与えたもの、オリジナルになったものがあるということが一つのポイントです。

京都には2,000を超える寺社仏閣があり、233件の国宝、2,180件の重要文化財を所有しています。また、庭園においても11ヶ所が特別名勝、43ヶ所が名勝として指定されています。(平成29年(2017年)京都府統計書)

じつは京都の世界遺産とはこれら文化財のいわゆる「代表」として選出されました。
意外と思われる方がいるかもしれませんが、17ヶ所の世界遺産が個別に登録されているわけではありません。
全部まとめて「古都京都の文化財」として1994年に登録されました。

これは、京都は世界遺産に該当する建造物が多いので、京都市、宇治市、大津市を含む地域全体を「古都・京都」として捉えて、その代表として17ヶ所が選ばれています。

京都にある世界遺産

京都には世界遺産として登録されている寺社仏閣が17ヶ所あります。
その中から3つずつ紹介していきます。
実は上から順に巡っていくと効率よく観光できるようになっているのでご参考ください。

京都にある世界遺産17ヶ所
平等院
宇治上神社
醍醐寺
二条城
西本願寺
東寺(教王護国寺)
西芳寺(苔寺)
天龍寺
高山寺
仁和寺
龍安寺
金閣寺(鹿苑寺)
上賀茂神社(賀茂別雷神社)
下鴨神社(賀茂御祖神社)
比叡山延暦寺
銀閣寺(慈照寺)
清水寺

上賀茂神社(賀茂別雷神社)


上賀茂神社は古代山城の豪族賀茂氏の氏神として知られる神社で、正式名称を「賀茂別雷(かもわけいかづち)神社」といいます。古来から皇族をはじめとした貴人からの厚い信仰を集め、伊勢神宮に次ぐ社格の筆頭です。
678年に造営され、京都を代表する由緒ある神社ということで評価されるポイントもありますが、世界遺産としては本殿、権殿の国宝が後世に与えた影響です。本殿、権殿は御祭神の「賀茂別雷大神」を祀る最も重要な場所で、直会殿でお祓いを受けてから参拝することができる場所です。社殿の基本形態は平入型、屋根は檜皮葺による扠首切妻流造で、全国にある神社の約6割を占める「流造」の原型となっています。
「流造」とは、屋根が反り、側面から見た屋根形状が対称形ではなく、正面側の屋根を長く伸ばす形の様式です。
本殿と権殿はまったく同じ造りの建物がならんでいていて調度品まで同じなのですが、それは式年遷宮斎行の際に、権殿が仮の本殿となるからです。

【基本情報】
住所:
〒603-8047 京都市北区上賀茂本山339
時間:
<二の鳥居>
5:30~16:00
<楼門>
8:00~15:45
アクセス:
・地下鉄 烏丸線「北山駅」より徒歩15分
・市バス4系統 「上賀茂神社前」下車すぐ
参拝料:
境内無料
<国宝拝観>
500円(中学生以上)

下鴨神社(賀茂御祖神社)


下鴨神社は上賀茂神社と同じく古代山城の豪族賀茂氏の氏神として知られる神社で、正式名称を「賀茂御祖(かもみおや)神社」といいます。上賀茂神社との関係としては、下鴨神社の御祭神である賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)とその娘である玉依姫命(たまよりひめのみこと)が上賀茂神社の御祭神の別雷命(わけいかづちのみこと)の祖父と母という関係にあります。
国宝である本殿も上賀茂神社と同年に建て替えられているので、評価ポイントとしても同じことがあげられます。
創建年は不明ながらも、日本書紀の中では紀元前658年に賀茂氏が下鴨神社の御祭神を祀ったとあります。古代より京都の土地を開発した賀茂氏が、祖先神と雷神を祀り、賀茂川の治水と五穀豊穣を祈って下鴨神社を建立しました。
本殿以外にも様々な神々が祀られ、年間を通して行事も数多く行われています。
現代においても京都における代表的な神社です。

【基本情報】
住所:
〒606-0807 京都市左京区下鴨泉川町59
時間:
6:30~17:00
アクセス:
京都駅から市バス4番,205番「 下鴨神社前」バス停よりすぐ
京阪「出町柳駅」より徒歩12分
参拝料:
境内無料

比叡山延暦寺


延暦寺は、京都の北東にある比叡山の山頂にあります。788年に最澄によって開かれた、天台宗の総本山です。
比叡山は法然、親鸞、栄西、道元、日蓮など多くの高僧たちを生み出したことから、「日本仏教の母山」とも称され、そのような現代にも受け継がれる仏教文化の源であったことが世界遺産選出のポイントです。
延暦寺とは、1つのお寺を指すわけではなく、境内にある約100堂宇の総称です。
山上から東麓にかけて「東塔(とうどう)」「西塔(さいとう)」「横川(よかわ)」という3つの地域に区分され、これらを総称して「三塔(さんとう)」または「三塔十六谷」と呼ばれます。三塔にはそれぞれ本堂があり、いずれの地域も見どころが多くあります。
史跡に指定されている境内は広く、根本中堂(国宝)、大講堂(重要文化財)の他、美術工芸品を含めて10にのぼる国宝、50以上の重要文化財は見どころです。

【基本情報】
住所:
〒520-0116 滋賀県大津市坂本本町4220
時間:
<東塔地区>
8:30~16:30(3月〜11月)
9:00~16:00(12月)
9:00~16:30(1月〜2月)
<西塔地区>
9:00~16:00(3月〜11月)
9:30~15:30(12月)
9:30~16:00(1月〜2月)
アクセス:
京都駅から京阪バス51系統 「比叡山頂行き」バス停よりすぐ
京都駅から京都バス57系統 「比叡山頂行き」バス停よりすぐ
叡山本線「八瀬比叡山口」よりロープウェーで比叡山山頂駅
参拝料:
<東塔・西塔・横川共通券>
1,000円(大人)、600円(中高生)、300円(小学生)
<国宝殿(宝物館)拝観料>
500円(大人)、300円(中高生)、100円(小学生)

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