毎月多くの祭礼が行われている京都ですが、数ある祭礼のなかでも「奇祭」と呼ばれる3つのお祭りを知っていますか?
鞍馬の火祭、太秦の牛祭、そして北区のやすらい祭の3つです。
今週末の4月14日(日)は、「やすらい祭」が京都の北区で催されます。
平安の時代から地元の人々に愛されている「やすらい祭」。
今回はその魅力とみどころについて紹介します♪
【やすらい祭とは?】
やすらい祭とは、「夜須礼(やすらい)」「鎮花祭」「やすらい花」とも呼ばれる京都市北区で行われるお祭りの1つです。
国の重要無形民俗文化財に指定されていて、地域に根差した民俗行事として知られています。
起源は平安時代にまでさかのぼります。
当時は桜が散り始める頃に疫病が蔓延してしまい、人々は大いに苦しんでいました。
現代でも季節の変わり目や、春の寒暖差で体調を崩す方は多いので平安時代ではなおのことだったと思います。
現代であれば病院に行ってお薬をもらいますが、平安時代の考えでは、疫病等の悪い出来事はすべて怨霊の仕業だとされていました。
疫病、天災などの悪事を鎮めるため奈良の大神神社では「鎮花祭」を行いました。
これに習い、京都の今宮神社、玄武神社、川上大神宮、上賀茂神社が無病息災を祈願して、やすらい祭を執り行うようになりました。
今宮神社
【お祭りの流れ】
毎年4月の第2日曜日(上賀茂のみ、葵祭と同じ5月15日)に行われます。
花傘を先頭に、風流(ふりゅう)の装いを凝らして、鉦(かね)や太鼓をたたき、踊りながら氏子区域をくまなく練り歩き,疫病を鎮めます。
祭りの行列は「練り衆」と呼ばれ、頂(てっぺん)、幡(はた)、幸鉾、御幣持ち、督殿(こうどの)、小鬼、大鬼、花笠、音頭とり、囃子方の順番となっています。年齢などに応じて、役割が決まるそうです。
赤毛や黒毛の鬼たちが笛や太鼓のお囃子に合わせて長い髪を振り乱しながら、「やすらい花や」の掛け声とともに飛んだり跳ねたりしながら踊ります。
これは花の精にあおられていたずらをしてまわる疫神を、踊りの中に巻き込んで鎮めるためといわれています。
【見どころ】
なんといっても奇妙な踊りと真っ赤な花傘です。
お囃子に合わせてポーズが徐々に激しくなり、やがて飛び跳ねだして髪を振り乱します。
赤や黒の髪もそうですが、神社によっては髪の毛で顔を一切隠してしまっている鬼もいます。
見るからにシュール、これぞ「奇祭」といった雰囲気が楽しめます。
また、真っ赤な花傘は「風流傘」(ふりゅうがさ)ともいわれ、長さはなんと約180cmもの長さになります。
その大傘の上に若松・桜・柳・山吹・椿を挿して飾ります。この傘の中に入ると厄をのがれて健康に過ごせると云われているので、多くの方が傘の下に潜り込むのですが、それを外から眺めると、その様子も「奇祭」感たっぷりです。
花傘そのものを神様の依代(神様が宿る場所)とみなして、悪霊をとりつかせることで、
花傘につけた花が朽ちる時に疫神も共に朽ち果てるという意味が込められているようです。
なので、花傘に入るのは「幸運」を頂くのではなく、ご自身についている穢(ケガレ)を花傘に移して祓ってもらう、と考えるのが良いかと思います。
「やすらい祭」というと今宮神社が有名ですが、今回は3社が同日に催しています。
それぞれの神社で踊りやお囃子が違っていますので、見比べられてはいかがでしょうか。
「その日が晴れるとその年の京都の祭事は晴れになり、雨が降ると雨になる」とも言われているほど影響力の強いお祭りのようです。
【今宮やすらい祭】
巡行:
光念寺を出発(12時すぎ)→今宮神社到着(15時頃)
住所:
〒603-8243 京都府京都市北区紫野今宮町21
アクセス:
地下鉄烏丸線 国際会館行「北大路駅」下車1番出口より 西へ20分
地下鉄烏丸線 国際会館行「北大路駅」下車 3番出口より 市バス1・北8・12・M1・204・205・206番「船岡山」下車 北へ徒歩7分
【玄武やすらい祭】
巡行:
玄武神社を出発(8時30分)→氏子区域をまわる→玄武神社到着(18時頃)
住所:
〒603-8214 京都市北区紫野雲林町88
アクセス:
地下鉄烏丸線 国際会館行「北大路駅」下車3番出口より市バスの1,12,204,205,206,北8,M1,101,102乗車「大徳寺前」下車後、徒歩8分
【川上やすらい祭】
巡行:
川上大神宮社祭典(11時)→出発(12時すぎ)→氏子区域をまわる→総神社到着(14時頃)→今宮神社到着(15時過ぎ)
住所:
〒603-8814 京都府京都市北区西賀茂南川上町35
アクセス:
京都駅より市バス9系統「西賀茂車庫前」下車、徒歩15分
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