vol.28:「60年に一度開く扉がある」〜大覚寺で嵯峨天皇の御写経公開〜

日本で一番親しまれているお経は何か知っていますか?
今回は2018年に行われる京都の貴重な公開についてお知らせします。

☆1200年前の御写経が開封☆
今からおよそ1200年前の弘仁9年、嵯峨天皇が弘法大師空海の勧めにより、疫病に苦しむ人々の平安を祈って御写経されたことで、実際に疫病が治まったそうです。
その御写経は大覚寺の秘経とされ、なんと60年に一度しか開封されません。
ということは、次の開封は2078年ということになります。
公開期間は11月30日までのあと1週間ほどです。
この貴重な機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
 
・場所:大覚寺
・開催期間:2018年10月1日〜11月30日(無休)
・拝観時間:午前9時〜午後5時(受付は午後4時30分まで)
・拝観料:一律 1,000円
・アクセス:京都駅からJR山陰本線で嵯峨嵐山駅へ16分
 
 
☆御写経の何がすごいの?より楽しめる豆知識☆
「日本で一番親しまれているお経とは?」
まずは写経されているお経は何でしょうか?
写経されるお経はいくつかあるのですが、中でも一番人気なものが「般若心経」です。
 
複数の宗派や一般の方にも読まれているお経で、インドから中国を経て密教最高峰の真言宗の開祖空海によって日本に広められました。
空海は般若心経の功徳についてこのように説いています。

「誦持講供すれば則ち苦を抜き楽を与え、修習思惟すれば(意味を考えて思惟を巡らせば)
則ち道を得、通(神通力)を起こす」

この言葉通り、古来より様々な霊験功徳を発揮してきたのは多くの歴史的人物が取り組むことで証明されているかと思います。

また、般若心経は神前や神棚の前で唱えても良いとされ、唱えれば神仏の法楽(喜び、楽しみ)になると言われています。
つまり人間から神様に伝わる「ありがとう」ということですね。

では、この般若心経を写経する意味とは何でしょうか。
 
 

 
 
 
「写経のパワーの秘密とは」
写経は本来無心になって自我を滅却するために行う行の一つです。
どんな粗末な紙でも、どんな粗筆でも、下手な字でも、一字一字心をこめて自分が書くところに真価があると言われます。

俗に「般若心経を写経すると病気が治る」と言われますが、おそらくその所以になるのが今回公開されている嵯峨天皇の御写経によって疫病がおさまったことにあると思います。

日本では古来より言葉には霊力があると信じられてきました。
「言霊(ことだま)」というと皆さんピンとくると思いますが、実は文字にも「言霊」と同じように力があると信じられています。

般若心経自体に功徳があるということもありますが、実はこの一文字一文字に込められた嵯峨天皇の祈りが天に届けられ、天下泰平が叶ったのだと考えられます。

1200年の時を経ても色あせない文字の力とはどんなものか。
その力をぜひ体感する京都の旅を平成最後の秋に楽しんでみてはいかがでしょうか。
 
 

 

 
 
 
ちなみに、こうした京都の現地情報をアプリで受け取る事ができます。
アプリでは、Wi-Fiがなくても近くの店舗などが分かります。
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