朝晩の気温が冷え込み始めたとはいえ京都は観光日和が続いています。
10月はお祭りシーズンでどのお祭りに行ってみようか迷うかと思いますが、今回は上賀茂神社で行われる笠懸神事(かさがけしんじ)について、ご紹介します。
笠懸神事ってなに?
笠懸とは日本書紀にも登場する日本古来の弓馬術のことで、疾走する馬上から的を狙います。
この笠懸には「小笠懸(こかさがけ)」と「遠笠懸(とおかさがけ)」という2つのバージョンがあます。
少し近い距離に立てられた的を射るのが小笠懸で、遠い距離にある的を射るのが遠笠懸です。
下鴨神社で行われる有名な流鏑馬神事は、射手が狩装束を身につけ、鏑矢(かぶらや)を用いて、板的(いたまと)を射るものでやや儀礼的なものに比べて笠懸神事はより実践的な騎射を神事として行っています。
疾走する馬上から弓矢を放つ勇壮な姿は一見の価値ありです。
笠懸神事のスケジュール
12:30 笠懸神事関係者が本殿でお祓いを行います
13:00~13:30 馬場に移動し、天下泰平などを祈願する天長地久の儀が行われます
13:30 馬を馬場に慣らすための疾走が行われます
13:40 遠笠懸、小笠懸の順で奉射されます
14:45 終了
おまけ:なぜ騎射が「神事」になるのか
海外にも馬術競技はありますが、日本で馬が活躍するのは「競馬(くらべうま)」、もしくは今回紹介した「笠懸」や「流鏑馬」です。
馬上から的に向かって矢を射る騎射は、武士の鍛錬であり神様に奉納される神事でもありました。
でもなぜそれが「神事」になるのでしょう?
競馬も騎射もルーツは平安時代にさかのぼりますが、大事なのは「馬」です。
馬は神様が人間世界にやってくる際の乗り物とされているので、全国的にも馬を用いた神事が多くあります。
例えば年の初めに青馬(毛色が黒く青みがかった馬)を見ると1年の邪気が除かれ、延命長寿になるという中国の故事があり、それにちなんで住吉大社では2頭の白馬が各本宮を祭礼する「白馬神事」が行われます。
つまり馬は神聖な存在だったために神事や武芸の奉納として用いられたようです。
他にも宮中での儀式が神社に継承されたとの流れも関係するそうです。
ちなみに神社によくある絵馬も、生きた馬を神馬(しんめ)として神様に捧げるという儀式の代わりとして生まれたものです。
神社内には馬の銅像なども見かけるので、京都旅行の際にはチェックしてみましょう。
基本情報
住所:
〒603-8047 京都市北区上賀茂本山339
神事開催日時:
2019年10月20日㈰ 12:30~16:00
アクセス:
地下鉄 烏丸線「北山駅」より徒歩15分
市バス4系統 「上賀茂神社前」下車すぐ
観覧料:
無料*観覧席は別途必要
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