vol.153:祇園祭の粽(ちまき)をご存じですか?

「ちまき」と聞くと端午の節句(たんごのせっく)で食べるもち米でできた「ちまき」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 私もその一人です。

実は、祇園祭でも粽(ちまき)が名物の一つなのです。
祇園まつりの粽(ちまき)は厄除けのお守りであり食べることはできませんが1年を通して厄除けとして玄関先などに飾ります。

では、粽(ちまき)にはどんな言い伝えがあり厄除けのお守りとなったのでしょうか。
ヒントは、粽(ちまき)に貼り付けられている護符にありました。
「蘇民将来子孫」と書かれています。
なんと読むかと言うと「ソミンショウライシソンナリ」です。
玄関などに飾ることで私は、「ソミンショウライのシソン(子孫)です」と名乗っているのです。

そこで疑問です。「蘇民将来」って、だれ??
調べてみるとこんな言い伝えがありました。
昔、八坂神社の主祭神である牛頭天王(ごずてんのう)が、蘇民将来という男の家を訪ねた時、一夜の宿を求めました。
蘇民は貧乏でしたが、それでも手厚くもてなします。牛頭天王はその心遣いに大変喜んで、そのお礼に「今後お前の子孫は末代まで私が護ってやろう。目印に腰に茅の輪をつけていなさい」と
言い残して去っていきました。
そのお陰で後に疫病が流行った際も、蘇民の一族は 生き残り繁栄したといいます。

この言い伝えに由来して「私は、蘇民将来の子孫ですから厄を除けてください」と玄関先などに飾るそうです。

粽(ちまき)は八坂神社や各山鉾の会所で授与されています。
1年間、飾った古い粽(ちまき)は各会所に設置されている「返納箱」に入れると八坂神社に集められ清めて焚き上げしてもらえるとの事です。
今年は、昨年同様、コロナの影響で京都へ行くことができない方は、粽(ちまき)のインターネットでの授与もしているようです。
(古い粽(ちまき)は近くの神社へ返納してもよいとの事です)

粽(ちまき)は、各山鉾町により様々な厄除け(疫病除け、安産、家内安全、商売繁盛など)があります。
今年の祇園祭は山鉾巡行はおこなわれませんが、粽(ちまき)を玄関先に飾り厄除けをしてみてはいかがでしょうか。

【基本情報】
粽(ちまき):厄除けのお守り
授与場所:各会所・インターネットでの授与ともに最新情報をご確認ください。

授与期間:
前祭:2021年7月14日~16日
後祭:2021年7月21日~23日

各会所へのアクセス:
四条新町へは京都市営地下鉄烏丸駅下車5分
四条河原町へは阪急京都線河原町駅下車すぐ

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