「人形寺」と呼ばれている宝鏡寺は代々皇女が入寺していた尼門跡寺院で、天皇家から贈られた人形を多数所蔵されています。
1年に2回、春と秋に人形展が開催され一般にも公開されますが、今回はそれらの人形を供養する「人形供養」について紹介します。
なぜ人形を「供養」するの?
「供養」と聞くと普通は死者や先祖に対して供え物をして成仏を願うことを言います。
そして日本では人、動物の他に「物」にも供養する風習があります。
これは物を長い間使用すると、その物に神霊が宿りツクモ神になると信じられていたためです。
この言い伝えは平安時代からあると言われ、当時の人々が捨てた古道具たちが「こんなに長い間、人々に奉仕したのにありがとうとも言われずあっさり捨てられるなんて!妖怪にでもなって仕返ししてやるー!」となり、神様に頼んで妖怪へと姿をかえます。
ツクモ神は人にいたずらをしたり、厄災をもたらすとされたので、長く使用したものには感謝して、社寺などで供養することでツクモ神にならないようにしました。
特に人形はツクモ神になりやすいと言われていたので、必要とされなくなった人形の「魂」を弔うため、宝鏡寺で供養を行うようになりました。
人形供養祭には人形の他にぬいぐるみや動物の人形なども当日に持ち込むことができます。
その後、お火上が行われ灰の一部が人形塚に納められます。
盛大なお勤めの後には奉納を見守った島原の太夫が舞を奉納します。
基本情報
住所:
〒602-0072 京都市上京区寺之内通堀川東入ル百々町547
開催日:
10月14日(月・祝)
時間:
10:30~12:00
※人形供養祭に納める人形の受付は、当日10時から10時30分まで
アクセス:
・京都駅より市バス9号系統「堀川寺ノ内」バス停下車 徒歩1分
・京都市営地下鉄「今出川駅」・「鞍馬口駅」下車 徒歩15分
参拝料:
なし
他にもある!京都で行われる物の供養
針供養
12月8日と2月8日の年に2回、虚空蔵法輪寺で針供養が行われます。
針の労をねぎらうために、当日は柔らかいコンニャクに五色の糸がついた針を刺して感謝します。
また裁縫や手芸の上達も祈願します。
刃物供養
八坂神社の境内にある刃物神社で11月8日に刃物供養があります。
理容業界などの人たちから持ち込まれた刃物の焚き上げが行われます。
また「切る」にあやかって、悪縁や厄災を断ち切り、良縁を呼び込むというご利益もあると言われています。
古本供養
全国でも指折りの「秋の古本まつり」が百万遍知恩院で10月31日に行われます。
本は「読むことこそ供養」との考え方から、古本市のチャリティー・オークションに出品されます。
物の溢れる時代だからこそ、ひとつひとつを愛用し、愛用したからこそ役目を終えたときには大事に見送ってあげるということもより大切にしていきたいですね。
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