伏見港跡と御大典記念埋立工事竣工記念碑

舟運で栄えた伏見港でしたが、明治時代以降、鉄道交通の発達によって船による物流や旅客が減少しました。

そのため、移動空間としての河川の機能が低下し、護岸の崩壊や雑草の繁殖など景観の荒廃が激しかったようです。

そこで、昭和の御大典記念事業として、1928年より水辺空間の整備が行われました。

これは、護岸の改築だけではなく、川幅の統一や埋め立てにより河川の一部が道路や宅地に転換されました。

1930年にこの事業は竣工しましたが、護岸には当時の伏見市(旧伏見町)の市章がかたどられています。

近年はさらに整備されるとともに三十石船も復活し、伏見の水辺空間は親水空間として機能しています。

平成29年12月18日 語り部:井上 学